1万時間の法則とは?マーケティング・スキルマップから法則の意義を考える

1万時間の法則」をご存知でしょうか?元P&Gの音部氏の著書「マーケティングプロフェッショナルの視点」でも取り上げられていたこの法則について、マーケターの立場で考えてみましょう。

1万時間の法則とは

1万時間の法則とは、マルコム・グラッドウェル氏による著書「Outliers(邦題:天才!成功する人々の法則)」で書かれたものです。

「どの分野においても1万時間の練習で達人になれる」という理論ではありますが、そのベースとなっているのは、とある音楽学校でのコンサートを開催できるプロレベルは1万時間を費やした話とされています。

そこでいうプロスキルが、それほど単一的なスキルだと思っているわけではありません。しかし、デジタルマーケティング関連で考えると、関連する分野は非常に多岐にわたります。

その中にあっても、皆さんは今現在「自分は企画に強い」とか「自分はアナリストとして活動したい」とか、ポジショニングやビジョンを持って活動していることと思います。要は、プロと呼ばれるために必要と言われる1万時間を、どう分配して経験を積んでいくか?もきちんと考えて、実務や学習に就く必要があるわけです。

マーケティングは単一作業では構築されていない事を知る

では仮に、「自分はデータから施策を導くマーケターになりたい」と思ったとします。この時、データから施策を導くとは、どのような分析をしてどのような施策が提案できる人の事を指しているのでしょうか?

単純に分析と言っても

  • アクセスログのデータを分析できる
  • 自社保有のデータを統計的に分析できる
  • ユーザーへの定量調査を分析できる
  • ユーザーへの定性調査結果を分析できる

と、これだけでもやらなければいけない事とスキルはそれぞれ別になりますし、これ以上のデータ分析を必要とされる事も多いのが現状です。

施策に関しては、各コンタクトポイント毎での施策があり、メディアの特徴やコスト感も理解した上での策定力が必要となります。

そして、これだけでは業務は回りません。これを説得する為のレポーティングやプレゼンテーション、実際の施策実行の際の調整力も必要となります。

個別にスキルを積もうとも、何かとやることの多さと庶務的タスクに追われてしっかりと「身についた」と感じられる事は少ないのではないでしょうか。

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陳腐化するスキルについてはどう考えるか

デジタルマーケティング界隈では、名称や意義が多少変われど、本質的にはひとつの系譜で表されるスキルやフレームワークが存在します。ペルソナ戦略からのカスタマージャーニーマップがその代表例です。

一方、SEOを代表とした施策側スキルについては、ブラックハットのようなものを始め、サービスに依存する知識をどこまでスキルと呼ぶべきでしょうか?

WEBPLAが提唱するマーケティングスキルマップ

様々な職業の中でも、マーケティングは比較的新しい職業でありながら、フィリップ・コトラーが謳うマーケティングは時代の流れに寄り添う形でバージョンアップがされています。

これに対し、WEBPLAでは、これまで必要とされてきたマーケティングに関する各種知見に対し、今後のマーケティングの未来も踏まえながらスキルマップを作成いたしました。

マーケティング・スキルマップ

現在はまだβ版であり、As-Isなスキルマップであるのは否めませんが、今後陳腐化が進むものはできるだけ避け、包括できそうなスキルは省略しました。近隣者に限定公開しながら、ご意見いただきまとめたものになります。

各項目に必要な経験時間も、経験値からざっくりと[ ]内に書いてみました。とりあえず、もし自分で計算できそうな人は事前にやってみてください。


このスキルマップについて、マーケティングに関わる方向けのキャリアデザイン読本を上梓いたしました。ぜひご一読いただけますと幸いです。

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