前回、マーケターは「1万時間の法則」をどう考えるべきか?という観点から、マーケティング・スキルマップを公開しました。
その埋め方や分布パターンについて、以下にまとめます。
時間の計算方法
よほどの自由な働き方をしていない限り、おおよその人は1日8時間 + 残業時間の中で、日々様々なスキルを磨いたり発揮しているかと思います。ただし、日々の業務をまじめに見直してみると、よほどのことがない限り、全時間をスキルとして磨ける時間ではありません。
社内や社外との調整、様々な打合せ、メールでのやり取り、部下の育成…やることは山程あるなかで、実業務に取り組めるのは、多くて5時間。なにかと調整ごとが多い方だと、3時間くらいの場合もあるのではないでしょうか。残業時間が多い方や、プライベートも学習にあてる方で、ようやく8時間いくかどうかだと思います。
これを完全に何時間費やした、とは言いづらいのが正直なところなので、
- 一般的な業務時間内で済ませている方:5時間
- 残業や学習などに時間を費やしている方:8時間
として、月20営業日で計算していくと、全時間が計算できるものとします。※もちろん、もう少しきちんと算出できる方はその時間数でどうぞ。
1日5時間とすると、1年間で、5時間 × 20日 × 12ヶ月 = 1,200時間。1万時間まで8年強かかります。
1日8時間では、1年間で、8時間 × 20日 × 12ヶ月 = 1,920時間。5年強で1万時間に達します。
これを、その時々で取り組んでいたスキルで分配してあげれば、それぞれのスキルに費やした時間が分かります。
スキルマップについて
スキルマップは、まず
- 横軸:大概的な主張が必要なスキルか、客観的な傾聴をするスキルか。
- 縦軸:定量的データを扱う事がメインのスキルか、定性的なデータや感性を扱うことがメインのスキルか
とっています。これに対し、各左右の上下で専門職的スキルをグルーピングしました。
- 右上の青グループ:プロジェクトや組織マネジメント、事業推進系のスキルグループ。ステークホルダーとのアライアンスパートナーシップも含みます。
- 右下の橙グループ:広報宣伝系のスキルグループ。自身で手を動かし制作するというより、品質管理面も含めたグルーピングとなっています。
- 左上の緑グループ:アナリスト系のスキルグループ。機械学習とか開発系スキルでもありますが、一旦ここで。
- 左下の黄グループ:開発系のスキルグループ。最近はサーバー系の知識も必要とされているので含めました。
それぞれの専門系の方々は、ここ起点でスキルマップが伸びていくのではないでしょうか。
コンサル系の方グループ
縦軸に沿ってスキルが分布される方は、コンサル系のスキルグループ。定量定性双方の声やデータを、その左右に分布されるアウトプット系スキルに派生していきます。その分布のしかたで、自分の強みが変わってきます。
Webマスター系の方グループ
Webマスターなどの事業会社でWeb担当者の場合、横軸に沿ってスキル習得されることが多く思われます。ここからマネジメントかアナリストか制作系かといった特性で、分布の傾向が独自のものとなっていきます。
制作者の方グループ
制作会社などで制作担当として活躍されるかたは、下側に分布が広がります。この場合、あまり早い段階から制作管理 (ディレクション) に時間を費やしすぎると、自分の売りを見失い勝ちになるので注意が必要です。何らかのアウトプットスキルを強みとして持つのがベターです。
広告代理店系の方グループ
そう呼ぶのが正しいのかどうか・・・はありますが、広告代理店の方がいろいろ広告提案や運用、プロモーション施策をしていく中で身につくスキルグループ。このまま戦略系強くなったり、コンテンツ系強くなったりで、やはり分布は変わります。
その他、職種にこだわることなく自分らしいスキルマップをデザインすることも大切です。市場価値を高める独自のスキルデザインを考えてみましょう。
このスキルマップについて、マーケティングに関わる方向けのキャリアデザイン読本を上梓いたしました。ぜひご一読いただけますと幸いです。
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マーケティングとキャリアデザイン マーケターの価値観とスキルを可視化する
2022/1/26
寺岡 幸二 (著)